Advanced Protection Program(アドバンスト プロテクション プログラム)
Advanced Protection Program(高度な保護機能プログラム)は、Googleが提供する最も強固なセキュリティプログラムで、特にオンライン攻撃の標的となるリスクが高いユーザーのGoogleアカウントを保護するために設計されています。ジャーナリスト、政治家、ビジネスリーダー、IT管理者など、機密性の高い情報を取り扱う個人や組織が主な対象です。
一般的なGoogleアカウントのセキュリティ機能(二段階認証など)よりもさらに厳重な対策が組み込まれており、悪意のある攻撃者がアカウントに不正にアクセスしたり、重要な情報を盗んだりすることを非常に困難にします。
このプログラムの中心的な機能は以下の通りです。
- 厳格な本人確認(セキュリティキーの必須化): 通常のパスワードと二段階認証に加えて、物理的な「セキュリティキー」または「パスキー」と呼ばれる特殊な機器を使ってログインすることを義務付けます。これにより、パスワードが漏洩しても、セキュリティキーがなければログインできないため、フィッシング詐欺によるアカウント乗っ取りを強力に防ぎます。
- 有害なダウンロードからの保護強化: Google ChromeやAndroidデバイスでファイルをダウンロードする際に、通常よりも厳格なセキュリティチェックを行います。疑わしいファイルはダウンロードがブロックされたり、警告が表示されたりします。これにより、マルウェアやスパイウェアの感染リスクを低減します。
- 不正なアプリからのデータアクセス制限: Googleアカウントのデータ(Gmail、Googleドライブなど)にアクセスできるのは、Googleが信頼しているアプリや、ユーザーが明確に許可した特定のサードパーティ製アプリのみに制限されます。これにより、悪意のあるアプリケーションが勝手にデータを抜き取るのを防ぎます。
Advanced Protection Programは、利便性を一部犠牲にしてでも、最高レベルのセキュリティを確保したいユーザーにとって非常に有効な手段です。Google Workspaceを利用する企業や組織においては、特に重要な情報を取り扱う役員や特定の部門の従業員にこのプログラムの利用を推奨することで、組織全体のセキュリティレベルを大幅に向上させることができます。