Autoscaling(オートスケーリング)
Autoscaling(オートスケーリング)とは、主にクラウドコンピューティングの分野で使われる技術で、システムにかかる負荷(リソースの使用量)に応じて、自動的に必要なリソースの量を増減させる仕組みのことです。Google Cloudなどのクラウドサービスでアプリケーションやウェブサイトを運用する際に非常に重要な機能となります。
例えるなら、交通量の変化に合わせて自動で車線を増減させる高速道路のようなものです。普段は車線が少なくても、通勤ラッシュやイベント時には自動で車線が増え、渋滞を避けることができます。
なぜAutoscalingが必要なのか?
ウェブサイトやアプリケーションへのアクセスは、常に一定ではありません。
- アクセスが急増する時: テレビで紹介されたり、キャンペーンを行ったりすると、一時的にアクセスが急増することがあります。この時、リソースが足りないと、サイトが重くなったり、最悪の場合ダウンしてしまったりします。Autoscalingがあれば、自動でサーバーの台数を増やし、アクセス増に対応できます。
- アクセスが少ない時: 夜間や休日など、アクセスが少ない時間帯もあります。この時もアクセスが多い時と同じだけのリソースを使い続けると、無駄なコストが発生します。Autoscalingがあれば、自動でリソースを減らし、コストを最適化できます。
Autoscalingの主なメリット
- 高可用性の維持(安定稼働): アクセス負荷の変動に柔軟に対応できるため、システムのダウンタイム(停止時間)を最小限に抑え、ユーザーに安定したサービスを提供できます。
- コストの最適化: 必要な時に必要なだけリソースを利用するため、リソースの無駄遣いをなくし、運用コストを削減できます。常に最大負荷を想定してリソースを用意する必要がありません。
- 運用管理の効率化: 手動でリソースを調整する必要がなくなるため、管理者の負担が軽減され、より重要な業務に集中できます。
- パフォーマンスの向上: 負荷が高い時でも十分なリソースが確保されるため、アプリケーションの応答速度や処理性能を高い水準に保てます。
Google Cloudでは、Compute Engine(仮想サーバー)やKubernetes Engine(コンテナ管理)など、様々なサービスでAutoscalingの機能が提供されています。これにより、開発者はインフラの負荷管理に煩わされることなく、アプリケーションの開発に集中することができます。