BackUp(バックアップ)
バックアップとは、Google Workspaceにおいて、重要なデータや設定のコピーを別の場所に保存しておくことです。万が一、元のデータが破損したり、誤って削除してしまったり、システム障害やサイバー攻撃で失われたりした場合に、このコピーを使ってデータを元の状態に戻せるようにするために行います。
例えるなら、大切な書類の予備を金庫に保管しておくようなものです。普段使う書類がなくなっても、金庫の予備があれば安心ですよね。
なぜバックアップが重要なのか?
Google Workspaceはクラウドサービスであり、Google自身がデータの堅牢性を保つための対策を講じていますが、それだけでは防ぎきれないリスクもあります。
- 人為的なミス: ユーザーが誤って重要なファイルを削除したり、上書き保存してしまったりするケースはよくあります。
- 悪意のある攻撃: ランサムウェアなどによってデータが暗号化されたり、意図的に削除されたりする可能性があります。
- 同期の問題: デバイス間の同期エラーによって、データが破損する可能性もゼロではありません。
このような事態が発生した場合に、バックアップがあれば迅速にデータを復元し、業務の中断を最小限に抑えることができます。
Google Workspaceにおけるバックアップの考え方
Google Workspaceには、Googleドライブの「ゴミ箱」機能や、Googleドキュメントなどの「版の履歴」機能など、ある程度のデータ保護機能が標準で備わっています。これらは、短期的な誤操作からの復旧には役立ちます。
しかし、これらの機能だけでは、長期的なデータ保持や、より広範なデータ消失のリスクに対応できない場合があります。例えば、完全にゴミ箱から削除されてしまったデータや、長期にわたる古いバージョンの復元には限界があります。
そのため、多くの企業では、Google Workspaceのデータ保護機能を補完するために、以下のような対応を検討します。
- Google Vault(Google Vault)の利用: Google Vaultは、Google Workspaceのデータ(メール、チャット、ファイルなど)を法律や企業ポリシーに基づいて長期的に保持・アーカイブするためのサービスです。訴訟対応や監査、情報ガバナンスの目的で利用されます。
- サードパーティ製バックアップサービスの導入: Google Workspaceに特化した外部のバックアップサービスを利用することで、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダーなどのデータを定期的に別のクラウドストレージやストレージにバックアップし、万が一の事態に備えます。これにより、Googleの標準機能では対応できない、より柔軟で包括的なデータ復旧が可能になります。
企業が安心してGoogle Workspaceを使い続けるためには、万が一の事態に備えた適切なバックアップ戦略を立てることが不可欠です。