「アクセス数は毎月増えている。でも、問い合わせは増えない」
「レポートの数字を見ても、それが『良い数字』なのか『悪い数字』なのか判断できない」
もし、経営者やWeb担当者であるあなたがそう感じているなら、それは「Webサイトの評価基準」が昭和(UA時代)のまま止まっているからかもしれません。
以前のGoogleアナリティクス(UA)では、「直帰率」や「ページビュー(PV)」が主役でした。しかし、最新のGA4では評価のモノサシが全く新しいものに変わっています。
この記事では、御社のWebサイトが「ただそこにいるだけの窓際社員」なのか、それとも「バリバリ稼ぐ営業マン」なのかを見極めるための、3つの新しい成果指標と判断基準を解説します。
目次
さようなら「直帰率」と「平均滞在時間」
まず、頭の切り替えが必要です。以前は「直帰率が低いほうが良い」「滞在時間が長いほうが良い」と言われていました。しかし、GA4ではこれらの優先順位が劇的に下がっています。
- なぜ「直帰率」は消えたのか?以前は「1ページだけ見て帰った人=直帰」としてネガティブに扱われていました。しかし、今はスマホの時代です。「知りたい情報を検索し、1ページだけ見て満足して帰る(例:店舗の営業時間や、用語の意味を調べる)」という行動は、ユーザーにとって「満足」な体験です。これを「悪」と決めつけるのは時代遅れになりました。(※GA4でも表示させることは可能ですが、デフォルトでは隠されています)
- なぜ「滞在時間」はあてにならないのか?ブラウザのタブを開きっぱなしにして放置していても、時間はカウントされてしまうことがあります。これでは「熟読している」のか「放置している」のか区別がつきません。
そこで登場したのが、「エンゲージメント」という考え方です。
そもそも「エンゲージメント」とは?
一言で言うと、「ユーザーがサイトに対して『意味のある行動』をとった状態」のことです。
具体的には、以下の3つの条件のうち、どれか1つでも満たせば「エンゲージメントがあった(1件)」とカウントされます。
- 10秒以上、セッションが継続した(じっくり見た)
- コンバージョンイベントが発生した(問い合わせなどをした)
- 2回以上、ページビューが発生した(他のページも見た)
つまり、「エンゲージメント率」とは、「サイトに来た人のうち、上記の『意味のある行動』をしてくれた人の割合」のことです。
【判断基準】エンゲージメント率の目安は?
「で、何%なら良いの?」ここが一番知りたいポイントですよね。業界やサイトタイプによりますが、一般的な目安(合格ライン)は以下の通りです。
- BtoB(企業向け)サイト: 50% 〜 60%
- 目的を持って訪れる人が多いため、高めに出る傾向があります。
- ブログ・メディアサイト: 60% 〜 70%
- 記事を読むことが目的なので、必然的に高くなります。
- ECサイト(通販): 40% 〜 50%
- 商品を比較検討して回遊するため、購入に至らないセッションも多く含みます。
もし、御社のサイトのエンゲージメント率が30%台以下であれば、要注意です。「広告で無理やり人を集めているが、中身が伴っていない」か「スマホで見づらいなど、使い勝手が悪い」可能性が高いです。
最終成績表「コンバージョン率(CVR)」
いくらエンゲージメント率が高くても(熟読されていても)、最終的に売上に繋がらなければボランティア活動と同じです。そこで見るのが「コンバージョン率(CVR)」です。
100人がサイトに来て、1人がお問い合わせすれば「1%」です。
【判断基準】CVRの目安は?
これも商材によりますが、一般的な「お問い合わせフォーム」への到達をゴールとする場合:
- 1%前後: 合格ライン(標準的)
- 0.5%以下: 改善が必要(フォームが入力しにくい、導線が分かりにくい)
- 2%以上: 非常に優秀
もし「アクセスはあるのにCVRが0.1%」という場合は、サイトのデザインを変える前に、「ターゲット顧客ではない人を集めていないか?」を疑うべきです。
人気記事ごとのエンゲージメント率を見る手順
記事ごとの成績表(レポート)を出して、横並びで比較しましょう。 ただし、初期状態では「エンゲージメント率」が表示されていないことが多いため、以下の手順で表示させます。
【手順】
- GA4の左メニューから 「レポート」 をクリック。
- 「エンゲージメント」 > 「ページとスクリーン」 をクリック。
- 【ここが重要!】 画面の右上に「えんぴつマーク(レポートをカスタマイズ)」がありますか?これをクリックします。
- ※もし鉛筆マークがない場合は、権限がない可能性があります。その場合は「平均エンゲージメント時間」を代わりの指標として見てください。
- 右側に出てくるメニューから 「指標」 をクリックします。
- 一番下の 「指標を追加」 を押し、リストから 「エンゲージメント率」 を探して選択します。
- 「適用」 ボタンを押し、最後に右上の 「保存」 > 「現在のレポートへの変更を保存」 をクリックします。
これで、表の中に「エンゲージメント率」の列が登場します!
【見方のコツ】 表はデフォルトで「表示回数(PV)」が多い順(=人気記事順)に並んでいるはずです。 上から順に、人気記事の「エンゲージメント率」を見比べてみてください。
- A記事(人気1位): 表示回数 10,000 / エンゲージメント率 30%
- B記事(人気2位): 表示回数 8,000 / エンゲージメント率 75%
この場合、「A記事はタイトルで人を集めているが、中身を見てガッカリされている(釣りタイトルの可能性)」「B記事は満足度が高いので、もっと広告などで露出を増やすべき」といった分析ができます。
いかがでしたか?
もし50%を超えていれば、御社のWebサイトはしっかり「仕事」をしています。自信を持ってください。
もし低ければ、「どのページで離脱されているのか?」を調べる次のステップへ進みましょう。
数字は「見る」ものではなく、「判断」するためにあります。
まずはこの「エンゲージメント率」を、毎月の健康診断の必須項目に加えてみてください。
まとめ
今日の重要用語と「合格ライン」の目安
この記事で解説した3つの指標と、評価の基準を表にまとめました。
毎月のレポートを見る時に、この表と照らし合わせてみてください。
| 指標(用語) | 意味・内容 | 合格ラインの目安 | 確認する場所 |
| エンゲージメント率 | 「ちゃんと中身を見てくれた人」の割合。 (10秒以上滞在、2ページ以上閲覧など) | 50%以上 (BtoBなら50~60%、ECなら40~50%) | レポート > 集客 > トラフィック獲得 |
| コンバージョン率 (CVR) | 「最終成果(問い合わせ等)」に至った割合。 (売上 ÷ 訪問数) | 1% 前後 (0.5%以下ならフォーム改善が必要) | レポート > エンゲージメント > キーイベント |
| 直帰率 / 滞在時間 | 【旧指標】 1ページで帰った率 / 滞在時間。 ※GA4では重要度が下がりました。 | 気にしなくてOK (エンゲージメント率の方を重視しましょう) | – |
数字が悪かった場合は、「エンゲージメント率が低い=記事がつまらない?」「CVRが低い=申込みボタンがわかりにくい?」と仮説を立てて改善していきましょう。