Google Compute Engine

Google Compute Engine

Google Compute Engine(GCE) は、Google Cloud Platform(GCP)が提供するInfrastructure as a Service (IaaS) です。Googleが自社の検索エンジンやGmail、YouTubeなどを動かしているのと同じ、堅牢でグローバルなインフラ上で、仮想マシン(VM) を作成し、実行できるサービスです。

簡単に言うと、まるで自分の手元に高性能なコンピュータがあるかのように、インターネット経由で必要な時に、必要なスペックの仮想コンピュータを借りて使えるサービスです。これにより、サーバーの購入、設置、メンテナンスといった物理的な手間から解放され、アプリケーションの開発や運用に集中できます。



Compute Engine の主な特徴

  • 仮想マシン (VM) インスタンス: 仮想CPU (vCPU)、メモリ、ストレージ、オペレーティングシステム (OS) などを自由に組み合わせて、用途に合わせたVMを作成できます。LinuxやWindows Serverなど、多様なOSイメージが提供されています。

  • 高いスケーラビリティ: アクセスの増加や処理量の変化に合わせて、VMの台数を自動的に増やしたり減らしたりできます(オートスケーリング)。これにより、急なトラフィック増加にも柔軟に対応し、コストを最適化できます。

  • グローバルなインフラ: 世界中のGoogleデータセンターにVMをデプロイできるため、ユーザーに近い場所にサービスを展開することで、レイテンシ(遅延)を最小限に抑えられます。


  • 柔軟なマシンタイプ:

    • 汎用 (General-purpose): Webサーバーやアプリケーションサーバーなど、バランスの取れた性能が必要な一般的なワークロード向け。

    • コンピューティング最適化 (Compute-optimized): 高いCPU性能が必要なHPC(高性能計算)やバッチ処理向け。

    • メモリ最適化 (Memory-optimized): 大量のメモリを必要とするインメモリデータベースやデータ分析向け。

    • アクセラレータ最適化 (Accelerator-optimized): GPU(グラフィックス処理ユニット)やTPU(テンソル処理ユニット)が必要な機械学習やAI処理向け。

    • カスタムマシンタイプ: 既存のマシンタイプでは満たせない、特定のvCPUとメモリの組み合わせを細かく設定できます。


  • 多様なストレージオプション:

    • 永続ディスク (Persistent Disk): VMとは独立してデータを保存できるブロックストレージ。VMを停止してもデータは保持されます。HDDとSSDタイプがあります。

    • ローカルSSD (Local SSD): VMに物理的に接続された高速なSSD。非常に高いI/O性能を提供しますが、VMを停止するとデータは失われます。

    • Hyperdisk: Compute Engineで利用できる最速の永続ストレージ。高いパフォーマンスと柔軟な設定が可能です。


  • 料金体系: 利用したリソース(vCPU、メモリ、ストレージなど)に応じて料金が発生する従量課金制です。

    • 継続利用割引 (Sustained Use Discounts): VMを長時間稼働させると自動的に割引が適用されます。

    • 確約利用割引 (Committed Use Discounts: CUDs): 1年または3年の利用を事前に確約することで、大幅な割引を受けられます。

    • スポットVM (Spot VMs): 余剰のCompute Engineリソースを安価に利用できますが、Googleの都合によりVMが中断される可能性があります。バッチ処理や開発/テスト環境など、中断されても問題ないワークロードに適しています。


Compute Engine の主な活用例 🚀

  • WebサイトやWebアプリケーションのホスティング: トラフィックの変動に対応しながら、安定したサービス提供が可能です。

  • データベースサーバー: 高性能なVMを利用して、リレーショナルデータベースやNoSQLデータベースを構築・運用できます。

  • 大規模データ処理・分析: 大量のデータを処理するための計算リソースとして利用されます。ETLプロセスの一部としても活用されます。

  • 機械学習・AI開発: GPUやTPUを搭載したVMを利用して、AIモデルの学習や推論を行います。

  • 開発・テスト環境: 必要な時にVMを立ち上げ、テストが終われば削除することで、コストを抑えながら開発を進められます。

  • 高パフォーマンスコンピューティング (HPC): 科学技術計算やシミュレーションなど、膨大な計算能力を必要とするワークロードに利用されます。

  • バッチ処理: 定期的に実行される大量のデータ処理や計算処理に利用されます。

関連リンク

Related posts

Ingress(イングレス)

VPC (Virtual Private Cloud)

ノード