Mobile Management(モバイル マネジメント)
Mobile Management(モバイル マネジメント)とは、企業や組織内で利用されるスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを、一元的に管理し、セキュリティを確保するための仕組み全般を指します。Google Workspaceの文脈では、Googleが提供する「エンドポイント管理(Endpoint Management)」機能がこれに該当します。
例えるなら、会社が従業員に貸与しているスマホや、業務で利用する個人のタブレットなどを、IT管理者がまとめて監視・制御し、会社全体のセキュリティポリシーを適用する「デジタルなデバイス管理システム」のようなものです。
Mobile Managementの主な目的と機能
Mobile Managementの導入目的は、デバイスの多様化とモバイルワークの普及に伴うセキュリティリスクの増大に対応し、同時に運用管理の効率化を図ることにあります。主な機能は以下の通りです。
- セキュリティポリシーの適用:
- パスワードの強制: 一定の複雑さを持つパスワードやPINコードの設定を義務付けます。
- デバイスの暗号化: デバイス内のデータを暗号化し、紛失・盗難時の情報漏洩を防ぎます。
- 画面ロックの自動化: 一定時間操作がない場合に自動で画面をロックする設定を強制します。
- データ損失防止: 機密情報がデバイスから外部に流出するのを防ぐ設定(コピー&ペーストの制限など)を適用できます。
- デバイスの登録と設定の展開:
- 組織内で使用されるデバイスをシステムに登録し、業務に必要なWi-Fi設定、VPN設定、メールアカウント設定などを自動的にデバイスに適用します。
- これにより、ユーザーは手動で複雑な設定をする手間が省け、すぐに仕事を開始できます。
- アプリケーションの管理:
- 業務に必要なアプリ(Google Workspaceアプリ、社内専用アプリなど)のインストールを強制したり、更新を管理したりします。
- 逆に、業務に不要なアプリやセキュリティリスクのあるアプリの使用を制限・ブロックすることも可能です。
- リモート操作とデータ保護:
- リモートワイプ(遠隔消去): デバイスが紛失・盗難に遭った場合や、従業員が退職した場合に、デバイス内の会社データや個人データを遠隔から完全に消去し、情報漏洩を防ぎます。
- リモートロック: デバイスを遠隔からロックし、不正なアクセスを阻止します。
- アカウントロック: 紛失したデバイスからGoogle Workspaceへのアクセスを一時的に停止させることができます。
- デバイスの監視とレポート:
- デバイスのセキュリティ状態(OSのバージョン、セキュリティパッチの適用状況、利用状況など)を監視し、管理者にレポートを提供します。
- コンプライアンス違反があった場合にアラートを送信します。
Google WorkspaceにおけるMobile Management
Google Workspaceは、標準でこれらのMobile Management機能(Google エンドポイント管理)を提供しており、管理者はAdmin Console(管理者コンソール)から、Android、iOS、Windows、macOS、ChromeOSなどの幅広いデバイスを一元的に管理できます。これにより、リモートワークやBYOD(Bring Your Own Device:個人のデバイスを業務に利用する)環境下でも、企業の情報を安全に保護し、従業員の生産性を維持することが可能です。