Organization Unit(オーガニゼーション ユニット)
Organization Unit(組織部門)、略してOU(オーユー) とは、Google Workspaceにおいて、企業や組織内のユーザーアカウントやデバイスを、部署、地域、役職などの基準で階層的に整理・管理するための論理的なグループのことです。
例えるなら、会社全体の大きな箱の中に、さらに「営業部」「開発部」「東京支店」「新卒社員」といった部署や役割ごとに小さな「仕切り」を作り、その仕切りごとに従業員やパソコンを分類していくようなものです。
OUの主な目的とメリット
OUを設定する最大の目的は、Google Workspaceの管理を効率化し、組織のニーズに合わせてサービスやセキュリティポリシーを柔軟に適用することです。
- ポリシーと設定の適用:
- OUごとに異なるGoogle Workspaceの設定やポリシー(規則)を適用できます。
- 例えば、「営業部の社員にはGoogleドライブの外部共有を許可するが、経理部の社員には禁止する」「新卒社員のChromebookには特定のアプリだけを許可する」といった、部門ごとの細かなルールを適用できます。
- これにより、組織全体の統一性を保ちつつ、部門ごとの業務特性に合わせた柔軟な運用が可能です。
- ユーザーとデバイスの管理:
- 新しいユーザーアカウントを作成する際に、特定のOUに配置することで、そのOUに適用されているすべての設定やポリシーが自動的に継承されます。
- ユーザーの異動があった場合も、OUを移動させるだけで、新しい部署のポリシーが自動的に適用されるため、管理工数を大幅に削減できます。
- 管理権限の委任:
- Admin Console(管理者コンソール)の管理権限を、特定のOU単位で他のユーザー(例:各部署のIT担当者)に委任できます。
- 例えば、営業部のOUのユーザー管理権限を営業部のIT担当者に付与することで、全社の管理者に負担を集中させることなく、分散して管理を行えます。
- レポートと監査の効率化:
- OUごとにユーザーの利用状況レポートを生成したり、監査ログをフィルタリングしたりすることが容易になります。これにより、部門ごとの活動を把握し、セキュリティやコンプライアンスの状況を監視しやすくなります。
OUの階層構造
OUは階層構造を持つことができます。例えば、「本社」というOUの下に「営業部」「開発部」というOUを作成し、さらに「営業部」の下に「東日本営業」「西日本営業」といったOUを作成するといったことが可能です。これにより、大規模な組織でも複雑な組織構造をGoogle Workspaceの管理画面に反映させることができます。
OUは、Google Workspaceを導入する企業が、その組織構造に合わせて効率的かつ安全にクラウドサービスを運用するための、非常に重要な管理機能です。