Pivot Table(ピボット テーブル)
Google スプレッドシート(Google Sheets)におけるピボットテーブルとは、大量のデータの中から、特定の項目で集計・分析を行い、必要な情報を分かりやすくまとめるための強力な機能です。データの切り口(軸)を自由に変えながら集計できるため、「Pivot(軸を回転させる)」という名前がついています。
例えるなら、膨大なアンケートの回答用紙の中から、「性別ごと」や「年代ごと」に「どの商品を選んだか」という情報を、手作業で数えたり分類したりする代わりに、ボタン一つで自動的に集計して、傾向が一目でわかる表にまとめてくれる「自動集計機」のようなものです。
ピボットテーブルの主な目的と活用メリット
ピボットテーブルは、特に以下のような場合にその真価を発揮します。
- 大量データの集計と要約: 数千、数万行にも及ぶ生データの中から、特定の指標(例:売上合計、平均、最大値、個数など)を素早く計算し、簡潔な表にまとめます。
- データの多角的な分析: データの「行(Row)」「列(Column)」「値(Value)」「フィルタ(Filter)」といった項目を自由に配置し直すことで、様々な角度からデータを分析し、傾向やパターンを発見できます。
- 例:「製品別」×「地域別」の「売上合計」
- 例:「月別」×「担当者別」の「対応件数」
- レポート作成の効率化: 複雑な条件を指定して手作業で計算する手間を省き、迅速に分析結果をまとめたレポートを作成できます。
- 意思決定のサポート: データに基づいた正確な情報を提供することで、ビジネス上の意思決定をサポートします。
ピボットテーブルの基本的な構成要素
ピボットテーブルは、主に以下の4つの要素を使ってデータを集計します。
- 行(Rows): 集計したいデータの分類軸を「行」として配置します。例えば、「商品名」「部署名」「日付」などを設定すると、それぞれの項目が行見出しとして表示されます。
- 列(Columns): 行とは異なる別の分類軸を「列」として配置します。例えば、「地域」「月」「ステータス」などを設定すると、それぞれの項目が列見出しとして表示されます。
- 値(Values): 実際に集計したい数値データ(例:売上額、数量、時間など)をここに配置します。集計方法(合計、平均、個数、最大値、最小値など)を選択できます。
- フィルタ(Filters): 特定の条件でデータを絞り込むために使用します。例えば、「特定の期間のデータのみを表示する」「特定の担当者のデータのみを抽出する」といった場合に利用します。
Google スプレッドシートでの利用
Google スプレッドシートでは、データを選択し、「データ」メニューから「ピボットテーブル」を選択することで簡単に作成できます。直感的なインターフェースでドラッグ&ドロップ操作が可能であり、共同編集機能とも連携するため、チームでデータ分析を進める際に非常に強力なツールとなります。