Data Regions(データ リージョン)
Data Regions(データ リージョン)とは、Google Workspaceにおいて、顧客のデータ(メール、ファイル、カレンダーの予定など)を物理的に保存するデータセンターの地理的な場所を選択できる機能のことです。
例えるなら、大切な書類を保管する倉庫を、国内にある特定の場所にするか、海外にある別の場所にするかを選べるようなものです。企業によっては、データの保管場所について、法律や規制、あるいは企業自身のポリシーによって特定の地域に限定したいという強いニーズがあります。
なぜData Regionsが必要なのか?
多くの国や地域には、データの保管場所に関する特定の法規制や要件が存在します。例えば、ヨーロッパではGDPR(一般データ保護規則)があり、特定のデータはEU域内に留める必要がある場合があります。また、金融機関や政府機関など、機密性の高い情報を扱う企業は、自国のデータセンターにデータを置くことを義務付けられていることもあります。
このようなニーズに対応するため、Google WorkspaceのData Regions機能が提供されています。
Data Regionsの主な特徴とメリット
- データの主権とコンプライアンスの強化:
- 顧客は、Google Workspaceの主要なデータ(Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダー、Googleドキュメントなど)を、選択した特定のデータセンターの地理的地域(例:日本、米国、ヨーロッパなど)に保存するよう設定できます。
- これにより、各国のデータ主権法や業界固有の規制要件(例:金融、医療)に準拠しやすくなります。
- セキュリティと透明性の向上:
- データがどこに保存されているかを把握できるため、企業は自社のデータガバナンスとセキュリティポリシーをより厳格に適用できます。
- パフォーマンスの最適化(場合による): ユーザーの拠点に近いデータリージョンを選択することで、理論的にはデータへのアクセス速度が向上する可能性もありますが、Googleのグローバルネットワークは非常に最適化されているため、体感できるほどの差は少ないことが多いです。主な目的はコンプライアンスです。
設定可能なデータリージョン
Googleは、世界中に複数のデータセンターを展開しており、Google Workspaceの顧客は、以下のいずれかの主要データリージョンを選択できます(利用可能なリージョンは時期によって変動する場合があります)。
- 米国
- ヨーロッパ
- アジア(主に日本)
Data Regionsは、Google WorkspaceのEnterpriseエディションや特定の要件を持つ組織向けの追加機能として提供されています。これにより、企業はクラウドの利便性を享受しつつ、データ管理における厳格な要件を満たすことが可能になります。
関連リンク
- Google Workspace の各エディションのデータ リージョン機能を比較
- Google Workspace のデータの地理的な保管場所を選択 – Google Workspace 管理者 ヘルプ: