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Shared Mailbox(共有メールボックス)とは、Google Workspaceにおいて、複数のユーザーが共通のメールアドレスを共有し、そのメールアドレスに届いたメールを複数人で共同で管理・対応するためのメールボックスのことです。
これは、特定の個人に紐付かない「部署の代表電話」のようなもので、例えば「お問い合わせ窓口」「サポート窓口」「採用担当」といった、複数の担当者が対応する必要がある業務に利用されます。
Google Workspaceには、厳密な意味での「共有メールボックス」という名称の機能は提供されていませんが、これに相当する機能として「Google グループ(Google Groups)の共同トレイ機能」や「メールの委任(デリゲート)機能」を活用することで、共有メールボックスと同様の運用が可能です。
1. Google グループ(共同トレイ機能)を利用した共有メールボックス
- 仕組み: 特定のグループ(例:support@yourcompany.com)を作成し、そのグループの種類を「共同トレイ」に設定します。このグループのメンバーは、そのメールアドレスに届いたメールを全員の受信トレイで共有し、誰が対応するかを割り振ったり、返信したりできます。
- メリット:
- 複数人での対応: 届いたメールを複数の担当者が同時に確認・返信できるため、対応漏れを防ぎ、迅速な顧客対応が可能です。
- 対応状況の管理: 誰がどのメールに対応中か、対応済みか、保留中かといったステータス管理ができるため、業務の重複を防ぎ、進捗を可視化できます。
- 一貫した対応: 過去の対応履歴をメンバー全員で共有できるため、顧客への対応が一貫したものになります。
- アドレスの管理: 個人のメールアドレスに依存しないため、担当者の異動や退職があっても、共通の窓口を維持できます。
- 複数人での対応: 届いたメールを複数の担当者が同時に確認・返信できるため、対応漏れを防ぎ、迅速な顧客対応が可能です。
- 活用例: 顧客サポート、採用問い合わせ、広報窓口、営業問い合わせなど。
2. メール委任(デリゲート)機能を利用した共有メールボックス
- 仕組み: 特定のユーザーのGmailアカウント(例:info@yourcompany.com)のアクセス権限を他のユーザーに「委任(デリゲート)」することで、委任されたユーザーが、そのメールボックスのメールを閲覧・送信できるようになります。
- メリット: 特定の個人アカウントが主となるが、そのアカウントを複数人で管理したい場合に便利。
- 活用例: 社長秘書が社長のメールを確認・返信する場合、代表アドレスを特定の担当者が管理する場合など。
共有メールボックスの概念は、以下のような点でビジネスにおいて非常に重要です。
- 顧客対応の品質向上: 顧客からの問い合わせに迅速かつ漏れなく対応できるため、顧客満足度向上に貢献します。
- チーム連携の強化: チーム内でメール対応の役割分担や進捗共有がしやすくなり、チーム全体の生産性が向上します。
- 情報の一元管理: 特定の業務に関するメールをまとめて管理できるため、情報が散逸するのを防ぎます。
Google Workspaceは、これらの機能を通じて、企業が共有メールボックスのニーズを満たし、効率的なチームベースのメール管理を実現することを可能にします。