Geminiに「いつも丁寧な日本語で回答してほしい」「提案には表形式も付けてほしい」と毎回入力しているなら、カスタム指示を設定する価値があります。Gemini カスタム指示 設定方法を押さえると、質問のたびに前提条件を説明する手間が減り、メール作成、議事録整理、企画案のたたき台作成などの回答品質を安定させやすくなります。
ただし、カスタム指示は万能のテンプレートではありません。設定内容が長すぎたり、矛盾した指示を入れたりすると、かえって意図と違う回答になることもあります。個人利用とGoogle Workspaceでの業務利用、それぞれで失敗しない設定方法を解説します。
Geminiのカスタム指示とは
カスタム指示は、Geminiに継続して伝えておきたい回答の方針や利用者の情報を保存する機能です。画面上では「保存情報」「Saved info」「Geminiへの指示」など、アカウントやアプリのバージョンによって表示名が異なる場合があります。
たとえば、職種、普段使う文体、回答の長さ、使わない表現、作業の前提条件などを登録できます。以後の会話では、その情報を踏まえた回答が期待できます。毎回「私は店舗経営者です」「初心者向けに説明してください」と書く必要がなくなるのが大きな利点です。
一方で、カスタム指示は会話ごとの個別指示より優先されるとは限りません。ある会話で「今回は箇条書きでなく文章にして」と依頼すれば、その会話内の具体的な依頼を優先して調整できます。常に守らせたい大原則だけを保存し、案件固有の条件はチャットで伝える使い分けが実務的です。
Gemini カスタム指示 設定方法|パソコン版
パソコンのブラウザでGeminiを開き、Googleアカウントにログインします。画面左下または右上にあるプロフィールアイコン、もしくは設定メニューを開いてください。次に「保存情報」や「Geminiへの指示」に該当する項目を選びます。
表示された入力欄に、Geminiに覚えてほしい内容と回答方法を入力し、保存します。画面の構成は変更されることがありますが、「設定」内に保存情報関連の項目が見当たらないかを確認すれば問題ありません。
設定後は、新しいチャットで短い質問をして反映を確かめます。たとえば「取引先への日程調整メールを作ってください」と入力し、敬語や文量、件名の有無が意図どおりかを確認します。既に開いている会話では反映が分かりにくいことがあるため、検証時は新規チャットを使うのが確実です。
スマホアプリで設定する場合
Geminiアプリでも、プロフィールアイコンから設定画面を開く流れは同じです。「保存情報」または類似する名称のメニューを探し、内容を追加または編集します。AndroidとiPhoneでは画面配置が異なることがあります。
スマホでは長文の指示を編集しにくいため、最初の設計はパソコンで行い、スマホでは確認や微修正に使うと効率的です。また、ブラウザ版とアプリ版で同じGoogleアカウントにログインしていれば、通常は保存内容を共通して利用できます。反映されないと感じたら、まず利用中のアカウントが一致しているかを確認してください。
そのまま使えるカスタム指示の例文
最初から細かなルールを詰め込みすぎる必要はありません。まずは自分の仕事で頻度の高い出力を一つ決め、短く設定するのが成功の近道です。
会社員やバックオフィス担当者なら、次のように指定できます。
「日本のビジネスメールとして自然な敬語で回答してください。最初に結論を示し、必要に応じて件名案も付けてください。専門用語には短い補足を加え、断定できない内容は推測と明記してください。」
フリーランスや企画担当者には、アイデアを実行可能な形に整える指示が向いています。
「企画や提案を作成する際は、目的、対象者、実施内容、必要な作業、想定リスクの順に整理してください。抽象的な表現だけで終わらせず、すぐ試せる具体例を2つ以上示してください。」
店舗運営者なら、地域のお客様に伝わる言葉を優先する設定が役立ちます。
「店舗のお客様向けの文章は、専門用語を避けて親しみやすい日本語で作成してください。誇大な表現は使わず、営業時間、予約、商品特徴などの事実確認が必要な箇所は確認事項として分けてください。」
これらはあくまで出発点です。「必ず300文字以内」「表を必ず付ける」といったルールは、すべての質問に適用すると使いにくくなる場合があります。日常的に必要な条件だけを残し、不要になった指示は削除しましょう。
保存情報・会話履歴・Gemの違い
Geminiの設定で混同しやすいのが、保存情報、会話履歴、Gemです。それぞれ役割が異なります。
保存情報やカスタム指示は、回答の口調や利用者の前提を継続的に伝えるためのものです。会話履歴は、過去のやり取りを参照して文脈を保つための機能であり、毎回必ず同じ方針を守らせる設定とは別です。
Gemは、用途別に専用のGeminiを作るための仕組みです。たとえば「採用文面作成用」「社内規程の下書き用」「SNS投稿案用」のように、用途ごとに異なる指示や資料を持たせたい場合に向いています。全般的な文体はカスタム指示、特定業務の手順はGemという分け方にすると管理しやすくなります。
業務利用で入れてはいけない情報
カスタム指示は便利ですが、個人情報や機密情報の保管場所として使うべきではありません。顧客名、電話番号、住所、未公開の売上、契約内容、パスワード、APIキー、認証コードなどは入力しないでください。回答の前提に必要な場合も、「顧客A社」「月商○○円程度」のように匿名化・抽象化します。
Google Workspaceを利用している組織では、管理者がGeminiの利用可否や追加サービスを制御していることがあります。個人アカウントで使える機能が、会社アカウントでは表示されないケースもあります。設定メニューが見つからないときは、アプリの不具合と決めつけず、契約プラン、組織の管理ポリシー、利用しているアカウントを順に確認してください。
社内で利用ルールを作るなら、「入力してよい情報」「確認なしに送信してよい文章」「人が最終確認する業務」を明文化することが先です。カスタム指示に「法令や社内規程に関わる内容は、確定事項と確認事項を分ける」と入れておくと、確認漏れの抑止にも役立ちます。
反映されないときの確認ポイント
設定したのに回答が変わらない場合は、保存後に新規チャットを開始したか、正しいGoogleアカウントで利用しているかを確認します。複数のGoogleアカウントを使い分けていると、個人用に保存した指示が会社用アカウントでは適用されないことがあります。
また、指示同士が矛盾していないかも見直してください。「簡潔に答える」と「背景を詳しく説明する」を同時に強く指定すると、回答が中途半端になりがちです。優先したい方針を一つに絞り、「通常は200字程度、複雑な場合は見出し付きで詳しく」のように条件を具体化すると安定します。
Geminiは指示を完全に機械的に実行するツールではありません。特に最新情報、法律、医療、税務、社内ルールに関する回答は、出力内容をそのまま確定情報として扱わないでください。カスタム指示は判断を代行させる設定ではなく、確認しやすい下書きを速く作るための設定です。
まずは1週間、同じ業務で使いながら「毎回書いている条件」をメモしてみてください。その中で繰り返し登場するものだけをカスタム指示に移せば、Geminiは単なるチャットではなく、あなたの仕事の進め方に寄り添う実用的な補助役になります。