Geminiは、質問を一文入力するだけでも使えます。しかし、業務で欲しいのは「それらしい回答」ではなく、そのままメールに貼れる文面、会議後に配れる議事録、意思決定に使える整理された情報です。そこで役立つのが、目的と条件をあらかじめ指定するGemini 活用テンプレート 10選です。
ここで紹介する指示文は、個人利用からGoogle Workspaceを使うチームまで応用できます。角かっこ内だけを自分の状況に置き換えてください。生成結果は下書きです。固有名詞、日付、数値、制度や契約に関わる内容は、必ず元資料と照合してから使いましょう。
Gemini 活用テンプレート 10選:まず押さえる入力の型
Geminiの回答精度は、質問の長さよりも「何を、誰向けに、どの形式で出すか」で変わります。依頼の前に、対象読者、目的、材料、制約、出力形式を伝えると修正回数を減らせます。
特に社内文書を扱う場合は、個人向けGoogleアカウントとWorkspaceアカウントでデータの取り扱いや管理設定が異なることがあります。機密情報を貼り付ける前に、自社のAI利用ルール、管理者が定めた設定、共有権限を確認してください。
1. 失礼のない業務メールを作成する
依頼、催促、謝罪は、言い回しの調整に時間がかかります。相手との関係性と期限を渡せば、必要以上に硬すぎない下書きを作れます。
“`text 以下の条件で業務メールの下書きを作成してください。 宛先:[取引先・社内の相手] 目的:[依頼・催促・お詫び] 伝えたい内容:[要点] 期限:[日時] 文体:丁寧だが簡潔 件名を3案、本文は300字以内で出力してください。 “`
送信前には、期限の曜日、添付ファイルの有無、宛名を確認します。謝罪メールでは、Geminiに責任範囲の判断まで任せず、事実関係を先に確定させることが重要です。
2. 長いメールスレッドから対応事項を抜き出す
複数人のメールでは、誰が何を担当するのかが埋もれがちです。スレッドを貼る、またはGeminiで参照できる範囲のメールを指定して、タスク表に変換します。
“`text 以下のメール内容から、対応が必要な事項を抽出してください。 「担当者」「期限」「作業内容」「確認が必要な点」の4列の表にしてください。 本文に明記されていない担当者や期限は、推測せず「未確定」と記載してください。 “`
この「推測せず」という一文が実務では効きます。曖昧な内容をもっともらしく補われるより、未確定事項として残した方が、次の確認を正しく進められます。
3. 会議メモを議事録に整える
箇条書きのメモや文字起こしを、共有可能な議事録へ整形するテンプレートです。発言の要約と決定事項を混ぜないよう、見出しを固定します。
“`text 以下の会議メモを議事録にしてください。 構成は「会議名・日時・参加者」「決定事項」「議論の要点」「保留事項」「次のアクション」です。 次のアクションには担当者と期限を記載し、不明な場合は空欄にしてください。 発言者の意図を補完しすぎず、事実に基づいてまとめてください。 “`
録音の文字起こしは誤変換を含むため、商品名、金額、期日は原音や会議メモで確認してください。決定事項だけは会議参加者に確認を回す運用が安全です。
4. Googleドキュメントの内容を役職別に要約する
同じ資料でも、経営者、現場担当者、顧客では必要な情報量が違います。要約の長さだけでなく、読む人を指定するのがコツです。
“`text 以下の資料を[経営会議に参加する役員]向けに要約してください。 結論を最初に書き、その後に「背景」「判断が必要な点」「想定リスク」を整理してください。 400字以内と、3分で説明するための箇条書き版の両方を作成してください。 “`
元資料にない費用対効果や市場動向を追加させたい場合は、要約と分析を別の依頼に分けます。両方を一度に頼むと、事実と推測の境目が見えにくくなります。
5. スプレッドシートの関数を作る
関数名を覚えるより、「どの列をどう判定したいか」を説明する方が早い場面があります。列名、データ例、期待する結果を渡しましょう。
“`text Googleスプレッドシートで使う数式を作成してください。 A列は受注日、B列は顧客名、C列は売上金額です。 D列に、受注日が今月の行だけ「今月」と表示したいです。 2行目に入れる数式と、下の行へコピーした場合の注意点を説明してください。 “`
ARRAYFORMULA、QUERY、FILTERのように式が複雑になる場合は、まずサンプルデータ3行程度で検証します。エラーが出たら、シートのロケール、日付形式、実際の列構成もGeminiに伝えると切り分けしやすくなります。
6. 顧客向けFAQのたたき台を作る
問い合わせ対応を減らすには、社内で分かる表現ではなく、利用者が検索する言葉に直す必要があります。対象者の知識レベルを明示してください。
“`text 以下の商品・サービス情報をもとに、初心者向けFAQを5問作成してください。 各回答は150字以内で、専門用語には短い補足を付けてください。 料金、解約条件、保証対象など、資料に根拠がない内容は作らないでください。 最後に不足している情報を質問として列挙してください。 “`
FAQは公開前に、実際の問い合わせ履歴と照らし合わせます。問い合わせが多いのにFAQにない質問こそ、追加すべき候補です。
7. 提案書の骨子を短時間で作る
白紙から資料を作る時間を減らしたいときは、スライド本文ではなく構成案を先に作ります。提案の結論と根拠がずれないように、前提条件も渡してください。
“`text [顧客の課題]に対する提案書の構成案を作成してください。 対象者は[決裁者・現場責任者]、提案の目的は[例:業務時間削減]です。 全8枚を想定し、各スライドに「タイトル」「伝える主張」「必要なデータや図」を記載してください。 根拠が不足する箇所は、仮説ではなく追加調査項目として示してください。 “`
数値を伴う効果見込みは、Geminiが出した数字を採用しないでください。自社実績や顧客データを基に計算し、前提条件をスライドに明記する必要があります。
8. 企画の抜け漏れをレビューする
自分で作った企画書をGeminiに評価させると、見慣れた資料の弱点を見つけやすくなります。ただし、評価基準を指定しないと一般論で終わります。
“`text 以下の企画案を、[店舗運営者]の視点でレビューしてください。 「目的の明確さ」「実行手順」「費用」「運用負荷」「リスク」「効果測定」の6項目で評価し、足りない情報を指摘してください。 否定だけで終わらず、修正案を具体的に提案してください。 “`
社外向けの企画では、競合情報や顧客情報を必要以上に入力しないことも大切です。レビューの目的に不要な固有情報は伏せ字に置き換えられます。
9. カレンダーを前提に週間計画を立てる
予定が詰まっている人ほど、タスクを増やす計画ではなく、優先順位を決める計画が必要です。締切と使える時間を渡して、現実的な順番を作ります。
“`text 今週のタスクを優先順位順に整理してください。 使える時間は[平日1日あたりの時間]、固定予定は[予定]です。 各タスクに締切、所要時間、重要度を付け、期限に間に合わない可能性があるものは理由と調整案を示してください。 予定を詰め込みすぎず、予備時間を20%確保してください。 “`
Geminiの計画は、カレンダー上の移動時間や急な対応まで完全には把握できません。初回は控えめに組み、週の途中で計画を更新する運用が続きます。
10. 操作手順書を非エンジニア向けに書き直す
Google Workspaceの管理手順や社内ルールは、詳しい人が書くほど難しくなりがちです。対象者が初めて操作する前提で、手順と注意点を分けます。
“`text 以下の操作説明を、Google Workspaceを普段使うが管理画面には慣れていない社員向けに書き直してください。 手順は番号付きで、1項目1操作にしてください。 操作前の確認、間違えやすい点、完了したか確認する方法を含めてください。 専門用語には括弧内で補足を付けてください。 “`
管理者権限が必要な操作は、一般社員が実行できる手順と混在させないことが重要です。「誰が操作するか」を見出しで分けるだけでも、問い合わせと誤操作を減らせます。
テンプレートを使い捨てにしない運用方法
最初から完璧なプロンプトを作る必要はありません。よく使う依頼をGoogleドキュメントに保存し、実行後に足りなかった条件を一つずつ追記します。「300字以内にする」「表で出す」「不明なら不明と書く」といった小さな指定が、再利用時の品質を安定させます。
チームで使うなら、テンプレートと一緒に「入力してよい情報」「人が最終確認する項目」「利用場面」を残してください。Geminiは作業を速くする道具ですが、判断の責任まで引き受けるものではありません。まずは毎週発生するメール、議事録、集計作業のどれか一つでテンプレートを試し、修正時間が減る形に育てていきましょう。