Provisioning（プロビジョニング）

Provisioning（プロビジョニング）

プロビジョニングとは、Google Workspaceにおいて、企業や組織内でユーザーがGoogle Workspaceのサービス（Gmail、Googleドライブなど）を利用できるように、必要なアカウント、リソース、設定などを準備・提供する一連のプロセスを指します。

例えるなら、新入社員が入社した際に、仕事で使うデスク、パソコン、メールアドレス、電話番号、必要なソフトウェアなどをすべて用意し、すぐに業務を開始できる状態にする「準備作業」のようなものです。

プロビジョニングの主な目的とプロセス

プロビジョニングは、主にIT管理者が行い、以下の目的とプロセスを含みます。

1. ユーザーアカウントの作成:
   
   • 新しく入社した従業員のために、Google Workspaceのユーザーアカウントを作成し、固有のメールアドレス（例：firstname.lastname@yourcompany.com）を付与します。
   • ユーザー名、パスワード、氏名、組織部門（OU）などの情報を設定します。
2. ライセンスの割り当て:
   
   • 作成したユーザーアカウントに、そのユーザーが利用するGoogle Workspaceの「ライセンス」（Business Starter、Business Standard、Enterpriseなど）を割り当てます。これにより、利用できる機能やストレージ容量が決まります。
3. アクセス権限とグループへの追加:
   
   • ユーザーが業務で必要とする共有ドライブや特定のファイル、アプリケーションへの「アクセス権限」を付与します。
   • 必要に応じて、部署ごとの「グループ」（メーリングリストや共有フォルダのアクセス管理用）に追加します。
4. デバイスの登録と設定（Endpoint Management）:
   
   • 従業員に貸与するPCやスマートフォンなどのデバイスをGoogle Workspaceの管理対象として登録し、セキュリティポリシー（パスワードの複雑さ、画面ロックなど）を適用します。
5. プロファイルの構成と設定:
   
   • ユーザーの勤務地、部署、役職などのプロファイル情報を入力します。
   • Gmailの署名や自動転送設定など、個別の設定を初期構成として提供することもあります。

プロビジョニングのメリット

• 効率的なオンボーディング: 新入社員がすぐに仕事を開始できる環境を整え、スムーズな業務移行を支援します。
• 管理の簡素化: 新規ユーザーの追加、異動、退職時のアカウント管理などを効率的に行えます。特に多くのユーザーを抱える組織では、手動での作業を減らし、管理者の負担を軽減します。
• セキュリティとコンプライアンスの強化: ユーザーに適切な権限とセキュリティポリシーを確実に適用することで、情報漏洩のリスクを低減し、企業内でのセキュリティ標準を維持します。
• コスト最適化: 不要なライセンスを速やかに解除するなど、リソースの無駄をなくし、コストを最適化できます。

多くの企業では、人事システムとGoogle Workspaceのプロビジョニング機能を連携させることで、入社・退職・異動の情報を元にアカウントの作成・更新・削除を自動化し、より効率的な運用を実現しています。

関連リンク

• ユーザーの自動プロビジョニングについて – Google Workspace 管理者 ヘルプ
• Microsoft Office 365 の自動プロビジョニングの設定 – Google Workspace 管理者 ヘルプ