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SLA(エスエルエー)
SLA(エスエルエー)とは、「Service Level Agreement(サービス レベル アグリーメント)」の略で、日本語では「サービス品質保証契約」と訳されます。これは、クラウドサービスなどのサービス提供者(Googleなど)と利用者(企業や組織)の間で結ばれる、サービスの品質基準とその達成が保証されなかった場合の取り決めを明文化したものです。
例えるなら、宅配業者と契約を結ぶ際に、「荷物は〇日以内に届けること」「万が一遅れた場合は運賃を〇%割引すること」といった、サービスの内容と、それが守られなかった場合の補償を事前に約束する「品質保証書」のようなものです。
SLAに含まれる主な内容
SLAには、主に以下の項目が記載されています。
- サービスレベルの定義:
- 稼働率(アップタイム): サービスが利用可能である時間を示す割合。Google Workspaceの主要サービス(Gmail、Googleドライブなど)では、99.9% の月間稼働率がSLAとして保証されていることが一般的です。これは、1ヶ月のうちサービスが利用できない時間がごくわずかであることを意味します。
- パフォーマンス: 応答時間、処理速度などの指標が定義されることもあります。
- サポートの応答時間: 障害発生時や問い合わせに対するサポートチームの対応時間(例:緊急性の高い問題は〇時間以内に一次回答)。
- 測定方法: 上記サービスレベルをどのように測定するか(例:サービスの利用不可状態をどのように定義するか、ダウンタイムの計算方法など)。
- 責任範囲の明確化: サービス提供者と利用者、それぞれがどこまでの責任を負うのかを明確にします。例えば、Googleのインフラに起因する障害はGoogleの責任、利用者のネットワーク環境や設定ミスに起因する問題は利用者の責任といった区別です。
- サービスレベルが未達成の場合の補償(サービス クレジット):
- 定義されたサービスレベルが達成されなかった場合に、利用者が受けられる補償の内容が規定されます。Google Workspaceの場合、月額利用料金の一部が「サービス クレジット」として返金されることが一般的です。
- 補償を受けるための条件(例:SLA違反が発生したことを一定期間内にGoogleに通知する)も明記されます。
Google WorkspaceにおけるSLAの重要性
- 信頼性の保証: 企業にとって、GmailやGoogleドライブといった基幹業務に利用するサービスが安定して稼働することは非常に重要です。SLAがあることで、Googleはそのサービスの信頼性に対して具体的な責任を負っていることが明確になります。
- リスク管理: 万が一サービス障害が発生した場合でも、SLAに基づいて補償が受けられるため、企業はビジネス継続におけるリスクを管理できます。
- 透明性: サービスの品質基準が明確にされるため、企業は安心してクラウドサービスを導入・利用できます。
- 契約上の義務: SLAは契約の一部であり、双方の権利と義務を法的に規定するものです。
SLAは、クラウドサービスを導入する上で、その品質と安定性を評価するための重要な指標の一つであり、企業が安心してサービスを利用するための基盤となります。
関連リンク
- Google Workspace Service Level Agreement(Google Workspace SLA)
- Google Workspaceのサービス保証はどうなってるの?障害時の補償額はいくら? – Dontokoi Apps
- Google Workspace と個人向け Google サービスとの違い – G-Workspace