WAF(ワフ)とは、「Web Application Firewall(ウェブアプリケーションファイアウォール)」の略称で、一言でいえば「ウェブアプリケーション専門の警備員」のような存在です。
一般的なファイアウォールがネットワーク全体を大まかに守るのに対し、WAFはウェブサイトやウェブアプリケーションのやり取り(通信)の中身を一つひとつ詳しくチェックし、悪意のある攻撃から守ることに特化しています。
WAFはなぜ必要か?
例えば、ウェブサイトにはログインページやお問い合わせフォーム、ECサイトの決済画面など、ユーザーが情報を入力する機能がたくさんあります。攻撃者は、こういった機能の弱点(脆弱性)を狙って、不正な命令文(SQLインジェクション)や悪質なスクリプト(クロスサイトスクリプティング)を送り込み、個人情報を盗んだり、ウェブサイトを改ざんしたりしようとします。
WAFは、このようなウェブアプリケーション特有の攻撃パターンを検知し、自動的にブロックする役割を担います。これにより、ウェブサイトの管理者が気づかないうちに攻撃されるのを防ぎ、ウェブサイトとそれを利用するユーザーの両方を安全に保つことができます。
Google CloudのWAF「Cloud Armor」
Google Cloudでは、「Google Cloud Armor」という強力なWAFサービスが提供されています。Cloud Armorは、Googleが自社のサービス(Google検索やGmailなど)を守っているのと同じ、世界規模のインフラストラクチャ上で稼働しています。
DDoS攻撃からの防御や、機械学習を活用した最新の脅威への対策など、非常に高度なセキュリティ機能を利用できます。Google Cloud上でウェブサイトやサービスを公開している場合、Cloud Armorを導入することで、セキュリティレベルを飛躍的に向上させることが可能です。
安全なウェブサイト運営に欠かせないWAFは、ビジネスの信頼性を守るための重要なセキュリティ対策の一つです。