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API Key(エーピーアイキー)
APIキーとは、Google CloudやGoogle Workspaceの文脈において、API(Application Programming Interface) を利用する際に、特定のアプリケーションやプロジェクトがそのAPIを使うことを認証し、アクセス権を許可するために使用される、固有の文字列(コード)のことです。
たとえるなら、特定のサービスにアクセスするための「特別なパスコード」や「鍵」のようなものです。この鍵を持っているアプリケーションだけが、そのサービスに用意された特定の機能を利用できるようになります。
APIキーの主な役割と目的
- 認証と識別:
- APIキーは、APIリクエストを送信するアプリケーションを識別するために使用されます。これにより、サービス提供者(Googleなど)は、どのアプリケーションが自分のAPIを使用しているかを把握できます。
- ユーザー自身を認証するものではなく、あくまでアプリケーションの認証や識別に使われる点が重要です。
- アクセス制御:
- APIキーごとに、利用できるAPIの機能やリソースを制限することができます。例えば、地図表示のためのAPIキーではデータベースへの書き込みはできないように設定するなど、セキュリティを強化できます。
- 不正な利用を防ぐため、特定のAPIキーを特定のウェブサイトのドメインやIPアドレスからのみ利用できるように制限することも可能です。
- 使用状況の監視と管理:
- APIキーごとにAPIの使用状況(呼び出し回数、エラー発生率など)を追跡・監視できます。これにより、開発者や管理者はAPIの利用状況を把握し、問題が発生した場合に迅速に対処できます。
- 課金対象となるAPIの場合、APIキーごとに利用量を計測し、適切な料金を計算するために使われます。
APIキーの管理と注意点
Google CloudのAPI(例:Google Maps Platform、Google Gemini APIなど)を利用する際には、Google Cloud ConsoleからAPIキーを発行・管理します。
- 公開を避ける: APIキーは、ウェブサイトのJavaScriptファイルやモバイルアプリのコードなど、公開される可能性のある場所に直接埋め込むべきではありません。もしAPIキーが第三者に知られてしまうと、そのAPIキーを使った不正なAPI呼び出しが行われ、予期せぬ料金が発生したり、サービスが停止したりするリスクがあります。
- 制限を設定する: 発行したAPIキーには、必ずIPアドレス制限やHTTPリファラー制限、利用できるAPIの種類などの制限を設定し、悪用を防ぐようにします。
- 定期的な見直し: APIキーの利用状況を定期的に確認し、不要なAPIキーは削除したり、利用制限を見直したりすることがセキュリティ対策上重要です。
APIキーは、クラウドサービスが提供する多様なAPIを安全かつ効率的に利用するための重要な要素です。適切な管理とセキュリティ対策を行うことで、開発者はGoogleの強力なAPIを活用し、革新的なアプリケーションやサービスを構築できます。