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Suggestions(サジェションズ)
Google Workspaceにおける「Suggestions(サジェションズ)」とは、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドといった共同編集可能なアプリケーションで利用できる、元の文書を直接編集することなく、修正案や変更を提案する機能のことです。日本語では「提案モード」とも呼ばれます。
例えるなら、誰かの書いた原稿を赤ペンで直接書き換えるのではなく、元の文章はそのままにして、余白に「ここをこう直したらどうですか?」と提案のメモを書き込むようなものです。提案された側は、そのメモを見て、修正案を「承認」するか「拒否」するかを選ぶことができます。
Suggestionsの主な機能とメリット
- 非破壊的な編集提案: 元の文書の内容を直接変更することなく、提案された変更がどのように表示されるかをプレビューできます。これにより、意図しない変更や誤った変更が文書に反映されるのを防ぎます。
- 明確な変更履歴と可視性:
- 誰がいつ、どのような変更を提案したかが色分けされて明確に表示されます。
- 提案された変更は、コメントとして文書の右側に表示され、元の文書と区別されます。
- これにより、複数の人が共同で作業する際に、誰がどの部分にどんな提案をしたのかが分かりやすくなります。
- 効率的な校閲と承認プロセス:
- 上司やチームリーダーが部下の作成した文書を校閲する際に、直接修正するのではなく、提案としてフィードバックを与えることができます。
- 提案を受け取った側は、その提案を一つずつ確認し、適切であれば「承認」して文書に反映させるか、「拒否」して元の状態を維持するかを簡単に選択できます。
- 議論の円滑化: 提案された変更に対して、さらにコメントを追加して議論を深めることができます。「この表現にした意図は?」「別の案はないか?」など、具体的な箇所について効率的にコミュニケーションを取れます。
- 安心感と共同作業の促進: 直接編集する「編集モード」と異なり、元の文書を「壊してしまう」心配がないため、共同作業の心理的なハードルが下がります。メンバーはより積極的に意見を出し合い、文書の品質向上に貢献できます。
Suggestionsの利用方法
Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドでは、編集モードの右上にあるドロップダウンメニューから「提案」モードを選択することで、この機能を利用できます。提案された変更は、承認されるまで「保留中」の状態となり、いつでもその状態に戻すことが可能です。
Suggestions機能は、チームでの企画書作成、報告書のレビュー、マニュアルの改訂など、共同で文書を作成し、承認を得る必要があるあらゆるビジネスシーンにおいて、円滑なコミュニケーションと生産性向上に貢献します。