「info@〜」や「support@〜」といった、問い合わせ等のアドレスに届くメール。チームの誰が対応しているか分からなくなったり、返信の重複や漏れが発生したりしていませんか?
Google Workspaceに含まれるGoogleグループの「共同トレイ」機能を使えば、高価なメール管理システムを導入しなくても全員でスマートにメールを共有・管理できるようになります。
今回は、パソコンが苦手な方や「スレッドって何?」という方でも迷わず設定・運用できるように、画面のステップに沿って優しく解説します!
目次
Googleグループの「共同トレイ」とは?
「共同トレイ」を一言でいうと、「チーム全員で中身をシェアする、1つの大きなお留守番メールボックス」です。
例えば、会社の「問い合わせ窓口」に届いたメールをメンバー3人で手分けして返信するシーンをイメージしてみてください。 普通のメールだと、「このメール、もう誰か返信したかな?」「Aさんが今やってくれているのかな?」と、お互いの状況が分からなくて不安になったことってありませんか。
「共同トレイ」を設定すると、1つのメールボックスの中で、以下のようなことがメンバー全員で確認することができるようになります。
- 「このメールは〇〇さんが担当します」と、メールに担当者の名前をペタッと貼れる
- 「今対応中」「もう返信が終わりました(完了)」といった状況がひと目でわかる
- 「今、〇〇さんがこのメールの返信を書いている最中です」という動きもリアルタイムでわかる
つまり、わざわざ口頭やチャットで「あのメール、もう返信した?」と確認し合わなくても、画面を見るだけでチーム全体の仕事の進み具合がパッとわかる便利な仕組みなのです。
最初に知っておきたい「スレッド」の基本(LINEに例えて解説!)
Googleグループを使い始めると、よく「スレッド」という言葉が出てきます。「スレッドって何?」と最初難しく感じてしまいがちですが、身近なアプリの「LINE(ライン)」に例えると理解できます。
「スレッド」はLINEのトークルームと同じ!
お客様からの「問い合わせメール」と、それに対する「会社の返信」が、1つの部屋(塊)にまとまったものを「スレッド」と呼びます。LINEで、特定の友達とのやり取りが1つの画面にずっと残っていくのと同じイメージです。
Googleグループの画面は、左側のメニューにある「スレッド」というボタンを軸に、以下のように構成されています。
① 左メニューの「スレッド」をクリックした画面(LINEのトーク一覧と同じ)
グループを開いて、左側に出るバナー(メニュー)の「スレッド」をクリックすると、メールの件名がずらりと並んだ一覧画面が表示されます。
- ここができること:
メールの件名のすぐ横に、担当者の名前やアイコンが表示されます。わざわざメールを1つずつ開かなくても、この画面を見るだけで、誰がどのメールを担当しているかがパッと分かります。操作していて画面が分からなくなったら、とりあえず左側の「スレッド」をクリックすれば、いつでもこの一覧画面に戻ってこられるので安心してください!
② メールの件名をクリックして開いた画面(LINEのトーク画面と同じ)
一覧の中からメールの件名をクリックして開いた、個別のやり取りの画面です。
- ここができること:
お客様との過去の返信履歴を確認したり、担当者を変更したり、実際に返信メールを書いたりします。
※特定のメールを探したいときは、画面の一番上にある「検索バー」を使います。これもLINEの検索と同じで、グループ内にあるすべてのメール(スレッド)の中から、目的のメールだけを瞬時に絞り込んで表示してくれます。
共同トレイを設定する前の準備
設定を始める前に、以下の2点を確認しておきましょう。
- Google Workspaceの管理者アカウント、またはグループの作成権限があること (設定を変更するには、そのグループの「オーナー」である必要があります)
- 共同トレイとして使いたいメールアドレス(例:support@yourdomain.com など)
準備ができたら、さっそく設定を進めていきましょう!
【簡単5ステップ】共同トレイの設定方法
パソコンの画面を開きながら、以下の手順を1つずつ進めてみてください。
ステップ1:Googleグループへのアクセスとログイン
- グループを作成できるアカウントでGoogleにログインをします
- 右上のGoogleアプリからグループをクリックします。
- 共同トレイにしたいグループの名前をクリックします。
※まだグループを作っていない場合は、画面左上の「グループを作成」から、新しいアドレスでグループを作成してください。
ステップ2:グループの種類を「共同トレイ」に変更する
- 左側のメニューにある「グループ設定」をクリックします。
- 「一般」を選択します。
- 画面を少し下にスクロールすると、「追加のGoogleグループ機能を有効にする」という項目があります。
- ここで「共同トレイ機能を有効にする」にチェックを入れます。
- 共有ラベルにもチェックを入れておきます。
- グループを表示できるユーザーの設定は、外部を入れないようにしないといけないので、表示できるユーザーは「組織のメンバー」、参加できるユーザーも「組織内のユーザーのみ」を選択する必要があります。
ステップ3:参加者の権限(公開設定)を調整する
外部のお客様からの問い合わせを受け付け、グループを活用する場合、ここが一番大切なポイントです。
順番に確認していきましょう。
- 外部メンバーの設定
外部メンバーは、「外部メンバーを許可する」(バーを青色表示にします)にしてください。 - グループの詳細を変更できるユーザー
これはグループの詳細を変更できる重要な管理者になるので、グループのオーナーまたはグループマネージャーを選択します。 - 会話を閲覧できるユーザー
すべてのグループメンバーが見れるようにグループメンバーを選択します。 - 投稿できるユーザー
「ウェブ上のすべてのユーザー」(または「組織外」のユーザーが含まれる設定)を選択します。- 注意: ここを「グループのメンバー」だけにしておくと、外部のお客様からのメールが届かなくなってしまいます。
- メンバーを表示できるユーザー
表示できるユーザーになるので「グループメンバー」を選択します。
💡【安心】外部公開による「スパムメール」対策はどうする?
「誰でもメールを送れるように設定すると、迷惑メール(スパム)がたくさん届くのでは?」と不安になりますよね。
結論から言うと、過度に心配する必要はありません。 Googleグループには、世界最高レベルの優秀なAI(スパムフィルタ)が標準で備わっているため、怪しいメールは自動的にブロックされたり、保留箱に振り分けられたりします。
ステップ4:最重要!「投稿ポリシー」を設定する
「グループの設定」の下(またはクリックして展開されるメニュー)に、「投稿ポリシー」という項目があります。
① チェックボックスと「会話の履歴」のエリア
画面の一番上にある項目です。ここは最初からチェックが入っている(オンになっている)ので、触らずそのままでOKです!
- メールでの投稿を許可 / ウェブからの投稿を許可する: どちらも青いチェックが入ったままで大丈夫です。
- 会話の履歴: 「オン」に黒い丸がついていることを確認してください(共同トレイを動かすために必須の設定です)。
② 謎の「青い丸(スライダー)」のエリア
横線の上に青い丸が並んだ不思議なスイッチがあります。これは権限の強さを表しており、左から順に【オーナー > マネージャー > グループメンバー > 組織(社内の人) > ウェブ上のすべての人(誰でも)】となっています。
ここは、「初期設定のままでいいもの」と「変更が必要なもの」があります。
- 初期設定(デフォルト)のままでいいもの:
- 投稿者に非公開で返信できるユーザー: 左から3番目の「グループメンバー」のままでOK。
- ファイルを添付できるユーザー: 一番右の「ウェブ上のすべてのユーザー」のままでOK。これでお客様が画像を添付して問い合わせできるようになります。
- コンテンツを管理できるユーザー: 左から2番目の「グループマネージャー」のままでOK(メールの削除など強い権限のため、管理者に絞ります)。
- ⚠️チーム全員で使うために「変更が必要」なもの: 初期状態では、以下の2つが「グループマネージャー(管理者だけ)」になっています。これだと一般のメンバーが操作できなくなってしまうため、青い丸を右に1つ動かして、左から3番目の「グループメンバー」に設定を変更してください。
- メタデータを管理できるユーザー: 丸を右に1つ動かして「グループメンバー」にする(これで全員が担当者を決めたり「完了」にしたりできるようになります)。
- グループとして投稿できるユーザー: 丸を右に1つ動かして「グループメンバー」にする(これで全員が個人のアドレスではなく、共通のアドレスで返信できるようになります)。
③ デフォルトの差出人のエリア
画面の下部にある、2つの選択肢から選ぶラジオボタンです。
- 「グループ アドレス」にチェックを入れる:
お客様へ返信する際、うっかり個人のメールアドレスのまま送ってしまうミスを防ぎ、最初から自動的にグループアドレス(info@など)が選ばれるようになります。必ずこちらにチェックを入れてください。
⚙️ その他の「メンバー管理」や「プライバシー」の設定は?
設定画面には他にもたくさんのメニューが並んでいますが、結論から言うと、これら以外の設定は最初から用意されている「初期設定(デフォルト)」のままで完全に安全・確実ですので、一切触らなくて大丈夫です!
- 「メンバーの管理」: メンバーの追加や削除の権限です。最初から「管理者だけ」ができるようになっているので、勝手に書き換えられる心配がなく安全です。
- 「メンバーのプライバシー」: 誰がグループにいるかの名簿です。最初から「外部には非公開(組織内やメンバーだけ)」になっているので、個人情報が外に漏れる心配はありません。
唯一、やっておくと便利なのは「共有ラベル」だけです!
- 「共有ラベル」にチェックを入れる(おすすめ!)
「このグループの共有ラベルを有効にする」にチェックを入れると、チーム全員で使える「共通の付箋(ラベル)」が作れます。「お見積もり」「至急」などのラベルをメールに貼れるようになり、後からメールが探しやすくなります。チェックをしなくても共同トレイには何も影響はないです。
ステップ5:設定を保存する
設定画面の一番下(または右上)にある「変更を保存」ボタンを必ずクリックしてください。
これで、Googleグループが「共同トレイ」へと生まれ変わりました!
【Q&A】よくある疑問:担当者の確認と割り当て方
設定が終わると、画面がメールソフトのような見やすい形に切り替わります。実際に運用する際によくある疑問をまとめました。
Q1. だれが担当したかという確認は、どこで見ることができますか?
A. 「スレッドの一覧画面」でパッと見るか、画面上部の「検索バー」で絞り込んで確認できます。
- 一覧で見る:
グループを開いた直後の画面(スレッドの一覧)を見ます。すでに担当が決まっているメールには、件名のすぐ横に「担当者の名前やアイコン」が小さく表示されています。ここが空欄のものは、まだ誰も対応していないメールです。 - 検索で絞り込む:
「自分が担当しているメールだけを見たい」というときは、画面の一番上にある「検索バー」の右端にある下矢印のマーク(▼)をクリックします。メニューの「割り当て先」から「自分に割り当て済み」などを選んで検索ボタンを押すと、該当するメールだけをズラリと表示できます。
Q2. 他の人に担当を振る(割り当てる)には、どこで設定できますか?
A. メール(スレッド)をクリックして開き、上部にある「人型のマーク(割り当てボタン)」から設定します。
- 担当を振りたいメールをクリックして開きます(スレッドの中に入ります)。
- メールの上のほうにある「割り当て」アイコン(人型のマーク)をクリックします。
- 自分に振る場合は、ここで「自分に割り当てる」を押すだけで完了です。
- 他の人に振る場合は、「他のユーザーに割り当てる」を選び、担当してほしいメンバーのメールアドレスや名前を入力します。
💡 初心者向けのプチ便利機能
担当を振るときに、「〇〇さん、この件について対応をお願いします!」とメッセージ(メモ)を書き添えることができます。 担当を割り当てられたメンバーには、「あなたにメールが割り当てられました」という通知メールが自動的に届くため、わざわざチャットや口頭で「メール振ったから見ておいてね」と連絡する手間も省けます。
気をつけるべき運用の注意点
共同トレイをスムーズに使いこなすために、以下の2点に気をつけましょう。
① メールの「通知設定」を確認する
共同トレイにメールが届いた際、自分の通常のGmailにも通知(転送)が届くように設定できます。 ただし、メンバー全員がすべてのメールをGmailで受信すると、各自のメールボックスが溢れてしまうことがあります。「基本はGoogleグループの画面を見に行く」というルールにするか、通知の頻度を「要約」などにするのがおすすめです。
② 運用のルールをはじめに決めておく
「メールが届いたら、○時間以内に誰かが『対応中』にする」「完了したら必ずステータスを『完了』にする」といった、チーム内での簡単なルールを3つほど決めておくだけで、劇的に業務がスムーズになります。
Googleグループでチームのメール管理を1歩先へ
Googleグループの「共同トレイ」は、LINEのような感覚で使える、シンプルでありながら強力なチーム用メールボックスです。
「有料の管理ツールを入れるほどではないけれど、メールの共有で困っている」という方は、ぜひこの記事を参考に設定してみてください。驚くほど業務がスッキリするはずです!